とにかく暑い日本の夏、気温が上昇すると、エアコンなしでは耐え難い日が続きます。省エネしたい気持ちとは裏腹に、エアコンの使用量は上がるばかり・・・。
エアコンなしの環境で、少しでも暑さをしのげる方法はないのでしょうか。
前回、海外サイトの自作クーラー(冷風扇)を紹介しました。
今回は「人生がエアコンなしの~Part2」として、さらに進化した?驚きのDIYクーラー(冷風扇)アイデアや話題の空調服をご紹介します。
自作する人続出!?DIY簡易クーラー
クーラーボックスの中には保冷剤または氷、冷水を入れておきます。
ボックスのフタの下向きにかぶせるようにDIYで扇風機をセット、パイプの送風口から、冷やされた涼風が出てくる仕掛けです。
Pin on The Mountains are Callingより引用
このアイデアは車中泊やアウトドア、ペット用、カーエアコンがわりに、またエアコンなしの部屋用などに、安上がりで簡易クーラーが作れると大人気で、”I made it! ”(私も作ったよ)投稿する人が続出中・・・。
その後もSNSに投稿され続けているのですが、完成度はどんどん高くなっているようです。
銅線チューブぐるぐるまき自作クーラー
見た人の目を釘付けにするDIY冷風扇がこちら。
https://www.pinterest.jp/pin/574068283742401492/
扇風機に巻きつけているのは、冷却用の銅線ワイヤーコイル。水槽用のポンプと透明ビニールチューブに接続します。別に氷水を入れたバケツやクーラーボックスを用意します。結束バンドで銅線をらせん状に扇風機に取り付けています。
https://www.pinterest.jp/pin/485474034817942279/
氷と水が入ったバケツの中には、銅線とビニールチューブに接続した水槽用ポンプが入っています。
ポンプで中の冷水がビニールチューブから熱伝導性が良い銅線チューブを通って循環するのですが、扇風機の風が通るときに、周囲の温度が下がって涼しくなる仕組みです。
チューブの水漏れ対策に銅線とビニールチューブをつなぐ時、ホースクランプ(留め具)を使用します。
注意:こちらのDIYは感電の危険性があるため、十分な電気の専門知識が必要です。
他にこんなアイデアもありました。
ペルチェ素子でDIYクーラー
米DIY投稿サイトInsutructable (さまざまなジャンルのDIY作品をお披露目するサイト)で、「上のような原始的な方法を使わなくても、ペルティエがあるやんか。」といったコメントがあったので、ペルティエとは一体どんなものか調べてみました。
ペルティエ(ペルティエ素子):ポータブル冷蔵庫などに利用されている電子冷却素子装置のこと
ペルチェ素子は、2つの異なった金属に直流電流を流すと、一方の金属が吸熱しもう一方の金属が発熱する現象(ペルチェ効果)を利用した半導体素子。電子冷却素子とも呼ばれる。
使い方 ペルチェ素子の片面を氷で冷やし、反対の面を湯などであたためると、電気エネルギーを得ることができる。
各種の冷却装置に使用されている。装置の体積が小さく装置の小型化が容易というメリットがあり、騒音・振動を発生しないことなどから、コンピュータのCPU冷却、車などに乗せる小型冷温庫、医療用冷却装置などに使用されている。 引用:Mini Peltier Air Conditioner (Plans) : 13 Steps - Instructables
https://www.pinterest.jp/pin/343610646581420249/
例えば、こんな感じの自作のクーラーボックスが作れますね。冷風扇としても応用できるかもしれません。
DIYキット
暑さと熱中症対策で人気の「空調服」
さて、炎天下など野外で仕事をせざるを得ない方のために、ジャケットの中に扇風機を取り付けた機能性ジャケットが今大人気となっています。
「着るエアコン」空調服とは
服の中に小型ファンが取り付けられている服のことで、体と服の間に平行に送風することで汗を気化し、気化熱を奪われた体が冷えて、こもった熱気が襟や袖、裾口から放出されて涼しく過ごせるという機能性商品。
空調服のメカニズム
服内に大量の風を流すことにより汗を完全に蒸発させます。 人間には生理的なクーラーが備わっています。暑さを検知するセンサーの情報を脳で処理し、その人の体がそのときに求めている冷却量に対応した汗をだします。
体に対して平行に新鮮な空気が流れていれば、汗を完全蒸発させる事が出来ます。空気の流れがなければいくら水を飲んでも無駄な汗として流れ、体を冷やすことは出来ません。体に平行な大量の新鮮な空気の流れを作るのが空調服です。
暑さによる労働災害防止、暑い職場での作業能率改善、オフィスでの省エネ、家庭でも涼しく過ごせます。
ベストもあります。
これはもう「着るエアコン」かも。着心地を想像するだけで涼を呼びそうです。
空調服と検索するとたくさん出てきますが、モーターやファンは取り外しでき、洗濯も可能です。
価格は1~3万円台と、作業着にしてはなかなかのお値段ですが、レビューを見ていると評判は上々のようでした。中には「冷えすぎる。」という声もあったほど。バッテリーの持ちをよくするなど、年々品質改良されているようです。
暑さや熱中症対策として、この空調服は作業用だけでなく、家事やアウトドア、また普通のメンズやレディースのジャケットなどにも、今後需要が急増しそうな気がします。
空調服を着用するのができないビジネスマン向けには、ペルチェ効果を利用した「着るクーラー」が注目されています。
クラウドファンディングで、あのソニーが開発したことで大きな話題を呼びました。
下記の専用ネックバンドで背中に引っ掛けて着用すると、スーツのジャケット内に隠れます。
昨夏より個人的に愛用しているのが、ペルチェのプレートで首を冷やせるこちらの携帯扇風機。首筋が涼しいと汗のかき方が全然違って、なかなか快適です。
空調服を自作した人
DIY投稿サイト、米Insutructableでは、ネットで見た日本の空調服が欲しかったものの、費用的に手が出なかったという人が自作して、その作り方を公開しました。
シャツに、単三電池で動くミニファンを、手縫いで取り付けます。
「ダサい」とか「洗濯はどうするの?」などツッコミを入れられつつも、投稿へは絶賛コメントも見受けられました。何よりも日本発のこの空調服の発想に、世界が驚いた様子でした。
詳しい作り方:英語サイト・米Insutructable
Air-conditioned Shirt : 7 Steps (with Pictures) - Instructables
最後に
もし人生がエアコンなしの部屋を与えたのなら、自作クーラーや空調服で過ごすという方法もありますね。実際、空調服で乗り切っている人のレビューも見受けました。
高温多湿の日本では、暑さへの工夫と配慮が必須ですが、女性の立場から言えば、真夏はムームー(昭和?)のようなゆったり目のワンピースを着ると涼しく過ごせます。
その理由としては「体に平行に空気の流れを作る」という空調服の特徴と同じようです。
人間は体毛が薄く、発汗機能が発達しているため、寒さよりも暑さへの耐える方が得意だとか。
体に熱がこもらないよう、発汗を促すために着る服の工夫をしたり、エアコンや扇風機の風を利用するなどして、上手に酷暑を乗り切りましょう。
パート1のこちらの記事もよく読まれています