中国版ゲーム・オブ・スローンズ?『海上牧雲記~』あまりにお粗末なドラマの後半に幻滅・・・。

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引用元 https://www.pinterest.jp/pin/388435536604632954/

全話視聴後の追記:がっかり「中国版ゲーム・オブ・スローンズ」の看板はおろすべき!

このドラマの面白さハマり、最初に記事を書いたのはドラマを見始めて25話目くらのことでした。

超一流の俳優陣と、ダイナミックなドラマの展開に胸躍らされつつ一気に書いたのですが、残念ながら後半にいくに従って「あれ?」とばかりに、トーンダウンしていくストーリーに徐々に幻滅してゆき、最終話は石を投げたくなるほどでした。(笑)

この中国ドラマ『海上牧雲記~3つの予言と王朝の謎』の前半はかなり見ごたえのある面白いドラマです。

ところが「制作者と監督が変わったのか?」と疑いたくなるほど、後半からはファンタジー要素が暴走し、間延びしたような余計なシーンがでてくるなど、だんだん支離滅裂になりながら、締めくくられるという不可解なエンディングで終わってしまいました。

最近の中国ドラマのクオリティの高さに唸っていた身にとって、これはある意味で驚愕ものでした。

これでは大物のホアン・シュエン、シュー・ルー、レジーナ・ワンさんなどの実力派俳優たちが、気の毒で仕方ありません。疑いもなく、彼らの演技は超一流でした。

前半の盛り上がりと勢い、ストーリーが素晴らしかっただけに、途中からだんだん腰砕けになったのはとても残念です。逆にその無茶っぷりを楽しみながら観るのが、このドラマの見どころとも言えます。

当然、制作前にはかなり意識したと思われる、本家の「ゲーム・オブ・スローンズ」の格とは比べ物にもなりません。「中国版ゲーム・オブ・スローンズ」と名乗るにはおこがましいかと・・・。

面白くなくなるまでは見る価値があるドラマ?

海外ドラマファンの評価(英語サイト)をチェックしたところ、レビューに「脚本家は出てこい!」と言った風に、ストーリーのまとめ方や、不可解さへの失望を書いた投稿が少なからずありました。

ただ一つ言えることは、

前半パートはかなりのレベルで面白いということです。

つまり、

面白くなくなるまで視聴する価値は大いにあるかと思います。

というわけで残念なドラマだったのですが、もっとストーリーの辻褄を合わせた、伏線を丁寧に回収する内容で作り直されたものを、改めて再視聴したいというのは叶わぬ夢なのでしょうか。

うっとりするくらいに本当に良かったのです、このドラマの前半は・・・。

全体的を通してのこのドラマの感想を言うと、個人的には「がっかりなドラマ」なのですが、それは急に面白くなくなる前までのドラマの完成度が高すぎるがゆえです。 このあたりは個人の好みによるものが大きく、海外のレビューサイトでは絶賛する人や、シーズン2を望む声も見受けました。

繰り返しますが、中国ドラマ『海上牧雲記~3つの予言と王朝の謎』は・・・・。

前半は、かなり見応えのある面白いドラマに間違いありません。見る価値は大いにあります。

中国ドラマ『海上牧雲記~3つの予言と王朝の謎』とは

世界中に社会現象を呼び起こした、メガヒット大作の米HBOのドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』。海外ドラマファンにとっては、今後これを超えるモノが出てくるのかと、ため息がでるほどの圧巻のドラマシリーズでした。

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引用元https://www.pinterest.jp/pin/844002786397350759/

そのゲーム・オブ・スローンズの中国版と称される、中国ドラマ『海上牧雲記~3つの予言と王朝の謎』の前半の感想を書きます。

『海上牧雲記~3つの予言と王朝の謎』英題Tribes and empires: Storm of the prophecy

www.twellv.co.jp (月~金:午後6時)2019年10月よりBS12で放映中。全75話。

ドラマの概要は架空の中国大陸「九州」を舞台に繰り広げられる、覇権争いを描いた歴史ファンタジー大作です。

まだ25話視聴しただけですが、他の中国ドラマと比べてかなりクオリティが高いです。

中国版『ゲーム・オブ・スローンズ』といわれる要素

https://literallyadramaqueen-blog1.tumblr.com/post/145356778763/tribes-and-empires-storm-of-prophecy-scenery
literallyadramaqueen-blog1.tumblr.com 架空の中国大陸「九洲」。祖先同胞へ忠誠心を胸に、山河を駆ける闘士軍団。

ドラマに漂う寂寞とした色調は、どこかゲーム・オブ・スローンズ風で、オープニングテーマなども雰囲気が似ています。

このドラマが中国版『ゲーム・オブ・スローンズ』といわれる要素をまとめてみました。

  • 架空の領土統治を巡る、王族間の激しい権力闘争と愛憎劇
  • 大人気ファンタジー小説が原作、秘術や伝説の野獣が登場
  • 中国史上最高峰の制作費とスタッフが結集
  • これまでの常識を覆すほどの壮大なスケール
  • 出生の秘密と予言に翻弄される人々を同時進行で描く

もちろんストーリラインと内容は似ていて非なりで、あくまでもチャイニーズドラマですが、アジア圏にウケそうな見どころがたくさんあります。

『海上牧雲記~3つの予言と王朝の謎』の見どころ

このドラマ全体に流れる印象としては、優美で繊細なドラマ作品だということです。

『海上牧雲記~』には『ゲーム・オブ・スローンズ』のような暴虐シーンや、過激なR指定モノはありません。また火を吹くドラゴン系は登場せず、ファンタジー要素も控えめです。魔術(秘術)を使う人物は複数いて、霊力を操る者どうしの闘いは迫力があります。

バイオレンス控えめ、純愛ロマンスあり

海上牧雲記

引用元https://www.pinterest.jp/pin/785033778770236163/

バイオレンスシーンは、『ゲーム・オブ・スローンズ』より少ないので、落ち着いて視聴できます。

『ゲーム・オブ・スローンズ』ではあまり見られなかった純愛ロマンスが『海上牧雲記~』では楽しめます。中国で今、大人気の俳優陣が出演しているので、女性にもおすすめのドラマです。

それぞれの登場人物の少年時代の初恋や、大人になってからの駆け引きが戦乱の合間にも描かれます。

「和の趣き」が感じられる

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引用元https://www.pinterest.jp/pin/768989705107403879/

このドラマでは、ずっと眺めていたくなるような美しいシーンが堪能できます。

王族の豪華絢爛な衣装や佇まいなど、その映像美は見ているだけでうっとりします。最新鋭のVFXで撮影された、遠近法を駆使したカメラワークが、TV画面に奥行きと臨場感を与えてくれます。

個人的に気に入っているのは、ところどころ日本を思わせる様式美が登場するところです。当時の王朝の儀式や所作を忠実に再現したとのことですが、小道具一つとっても細部にわたって情緒にあふれています。特に主人公の牧雲笙が隠居する竹林庵でのシーンは、風流なものがあります。

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鉄瓶からの湯気や虫の鳴き声まで効果音にも凝るなど,五感を刺激する仕掛けが心憎い

見たこともないようなミラクルな世界観

中国ドラマ『海上牧雲記~』の一番の魅力は、バーチャルとリアリティが入り乱れるミラクルなドラマだという点です。それぞれの世界に一瞬に惹き込まれる面白さや、テンポの早いストーリー展開には目が離せません。

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時代劇にして宇宙というこのミスマッチ、奇想天外な場面に驚愕

ドラマのタイトルの『海上牧雲記~3つの予言と王朝の謎』とあるように、「星読み」と呼ばれる占星術師の「予言」がドラマのカギとなります。

人間の宿命が星廻りで決められる非条理さ、それに翻弄される人々の描写も巧いです。その中で一体誰が最終的に玉座を勝ち得るのか、ドラマ中盤では全く見えてきません。

水晶珠のような霊珠を行き交う絶世の美女が登場し、「あの世」を見せるシーンや、イリュージョンのような秘術を操るシーンには目が釘付けになります。また巨大な地下宮殿の存在など、奇想天外なその世界観には驚くばかりです。

余談①中国ドラマにしては珍しい日本での撮影ロケ

このドラマ、実は日本で撮影ロケがありました。(2017年)ロケ地は「ひこにゃん」で有名な、滋賀県の彦根城。

中国のドラマ「九州・海上牧雲記」の撮影が彦根城、玄宮園などで行われました。彦根市フィルムコミッション室初の海外(中国)ドラマ支援作品です。 総勢130名ほどのスタッフを迎え、ドローンなどを用い、3日間に渡る撮影でした。

引用元海外ドラマ「九州・海上牧雲記」のロケ支援を行いました - 彦根市フィルムコミッション

第3話あたりの牧雲笙の少年時代、また寒江と蘇語凝の初恋を描いた頃のシーンです。 個人的にアマゾンプライムビデオでじっくり見直してから、後日訪れるつもりです。

余談②絶世の美女「銀容妃」は『武則天』のあの人・・・

f:id:soboku-kobe:20191113202949p:plain:w400 引用元 https://www.pinterest.jp/pin/591449363545524969/

牧雲笙の実母で「天下の武器すべてより脅威」と言われるほどの美貌の持ち主、銀容妃を演じるのはドラマ『武則天』で悪女を演じた徐慧でした。

明帝・牧雲勤の寵愛を独占したこの銀容妃ですが、色白で首長美人のこの方に半人半魅(半分人間でない)のこの役はハマり役です。

余談③ 禅問答のようなセリフが深い

https://triangularlily.tumblr.com/post/168440452523/i-finally-get-to-see-you-again
triangularlily.tumblr.com

主人公の一人、牧雲笙の苦悩を解こうとする謎の美女、盼兮(はんけい)。さすが見えない世界から来るだけあって、悟ったようなセリフが多い点も心に残ります。

(不老不死について)

牧雲笙:「君はいいね、いつまでも若いんだろう」

盼兮:「老いなければ、若さも意味はないわ」

秘術の真髄について

「本当は秘術などはないのよ、あるのは異なった物の見方だけ。この世界はもともと一つなのよ」

死後の世界、明帝が銀容妃を殺害する一瞬が何度も繰り返されるシーンで

「一つを選べばもう一つの方の後悔をするのが人の業。貪欲ゆえか。」 「私には見える。夜に漂う葛藤の思念の糸がね。

凡人には意味がつかみにくいこのようなセリフが交わされます。

人は平凡な生活を望む一方で冒険にも飢えている。常に選択を続けて片時も安らげないの。苦しみで力を増した思念糸で大地はがんじがらめ。」

「思念が業になる」という仏教の因果応報の教えをセリフにするなど、人間の本質を追求するこのドラマの奥深さと、メッセージ性にうなります。

最後に

海外ドラマファンにとっては今後、このような〇〇版『ゲーム・オブ・スローンズ』が、国を問わず登場してほしいものです。

実際、ここ数年大陸系ドラマが豊作なのだとか。個人的にはファン・ビンビン主演の『武則天』で中国ドラマ開眼しました。

ちなみにアマゾンプライムビデオの見放題で、あの『ゲーム・オブ・スローンズ』がシーズン6まで無料視聴できます。

『海上牧雲記 〜3つの予言と王朝の謎』はシーズン3まで無料、以降一話220円。見逃した方はぜひ!

全話見るならDVDがお得!

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