英語がスラスラ書けない
英語に接することが好きです。今は海外サイトの記事をこのブログで紹介したりするのも、楽しみの一つとなっています。
話題の『会話もメールも英語は3語で伝わります』を一気読みしました。
『会話もメールも 英語は3語で伝わります』
タイトルの3語で伝えるとはどういうことでしょうか。この本の宣伝に使われているものを例にあげます。
「私の仕事は英語教師です。」
皆さんならどう伝えますか?
My job is an English teacher.
日本人がしがちな表現ですが、間違いではありません。
ここで発想を換えて、よりシンプル&確実に相手に伝えるにはこうです。
↓
I teach English.
「え~、そんなんでいいの?」と誰もが思うところがこの本のミソです。
「私は英語を教えています」は上と意味は同じで、文が短くなっただけでなく、下の方がより理解しやすいのだそうです。
つまり複雑な文を捨て去り、「主語・動詞・目的語」の3つの英語で組み立てるノウハウが、この本に記されています。テクニカルライティングに基づいた手法です。
テクニカルライティングの英語技法とは
皆さんはテクニカルライティング"Technical Writing"のことをご存知ですか。私はこの本ではじめてその存在を知りました。
テクニカルライティングとは、特許や技術論文の英語や企業のマニュアルを正、確かつ効果的に伝達するための文書作成技法ことで、「難しい表現ではなく、より平易なものとして伝えること」に重きを置いています。
著者は英語での専門家なのですが、ネイティブ・ノンネイティブの両方にも伝わるその手法から、エッセンスを抜き出したのが「3語で伝わる英語」の核でとなっています。
そういった意味で英語で文学作品を読んだり、大学受験英語や英文法を勉強する人には向く内容ではないかもしれません。
英語とは案外「ぼんやりとした世界」で、どちらの表現が正しいかネイティブに聞いても「どちらでもいいけど、なんとなくこちらがいい、理由は聞かないで」となることもあるようです。そこが理工系の人には「どちらでもいい文法とはいったい何なんだ!」となり、英語習得に嫌気がさす要因になってしまうのだとか。
企業の英語研修を通じてそんな英語嫌いの人々を見てきた著者は、試行錯誤の末「なぜこの表現を使うのか」を、理由と根拠をもとに指導し始めるのですが、それが効をなし、ようやく熱心に講義を聞いてもらえるようになったそうです。
発想をかえてSVOの3語で伝える
前半の内容
- 日本人の英語」が伝わらない理由
I lke English. のような3語以外に、学校英語で様々な英文法や構文の詰め込みすぎが、3語の英語を組みたるときに邪魔になる原因他
3語の英語の組み立てパターン
発想を転換し、3語英語で組み立てるようになれば誰でも英語を使えるようになる
3語を組み立てられたらあとは情報を足していくだけ
3語英語の組み立て3つの例
例①
◯ It is not difficult for me to understand your situation.
「あなたのおかれている状況を理解するのは難しくありません。」
↓
☓ I can understand your situation.
拍子抜けしそうなくらいシンプルな言い方ですが、言われてみれば後者の方が他人事ではない風に伝わり、好印象です。
例②
家族写真を見せられて、「笑顔の素敵な写真ですね」と伝えたい時・・・。
「笑顔が素敵な?」「なんて言うんだったけ」と考えただけで固まってしまいがちですが、なんとかひねり出しだ日本人的な表現はこんな感じかもしれません。
△ The photo is nice with their smiles.
3語英語はシンプルです。
↓
◯ I like the photo. I like their smile.
例③
「私はiPhoneのユーザーです。」はどうでしょうか。
△ I'm a iPhone user.
調べるとこれでは「iPhoneが大好き」を超えて 「iPhoneしか使わない人、信者」というニュアンスで伝わるそうです。
↓
◯ I use iphone.
これで十分というわけです。
これらはいわゆるカッコいい英語ではないものの、結論がしっかり確実に早く伝わる英語で、間違いが少なく、しかもコミュニケーションのスピードが上がるのだそうです。
難しく考えすぎるからいつまでたっても、英語が話せないのかもしれません。ただシンプルに知っている言い方で伝えればいいんだと、少し安心しました。
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「英語本ってこんな感じ」
学校英語より「使える英語」を学びたかった
日本の学校英語では、「文法的に正しい英語」に注力した教育が行われているため、英語を話すことを重要視していません。それが読み書きができても英語が話せない理由だとよく言われています。私自身もスピーキングに相当苦労しました。
フタを開けてみれば日常英会話で使われる英単語や言い回しは、案外初歩的なものが多いので中学英語で十分な気がします。簡単な英語の基本フレーズだけでコミュニケーションもそれなりにでき、最低限の生活ができていました。
たとえば昔、家具付の部屋を借りていた時、よくあったのがエアコンの故障でした。最初は家主や修理業者に “This Air Conditioner broke down.” などと電話していたのですが、後に
“The Air Conditioner isn’t working.”“It doesn't work.” の方が簡単で、すんなり伝わると知りました。もっと分かり易く伝えるなら ”I have a ploblem with the Air Conditioner."
英語習得への近道へは、このように生活に根ざした実践的な言い回しを身につけたり、テクニカルライティングのようなシンプルな英語をマスターすることの方が大切のように思います。
カッコいい英語でなくてもいい
「難しい英語は結論がぼやけて伝わりにくい」と述べられていたことも、私には衝撃でした。確かにアカデミックな英文記事などは、素晴らしい文体で書かれていても何が要点なのかすぐにつかみにくいものです。
この本の「こんな簡単でいいの?」感じるくらいシンプルな表現方法は、凝り固まった自分の英語への思い込みを外してくれました。
もちろんこの本だけで全てが解決するほど、英語の壁は容易いものではないのですが、これを読んだことで、海外通販では「どのみち下手な英語しかできないのだから、要点をはっきり簡潔に伝えることが大事。」と気を取り直すことができました。
基本テンプレートやよく使う動詞リスト付で、また後半もなかなか興味深い内容満載で、なかなか一読の価値がある英語本でした。このあと商品説明の英訳の見直しをする予定で、私の本はすでに付箋でいっぱいです。
英語学習のアプリやブログが無料で利用できる時代ですが、テクニカルライティングという新しい視点から「使える英語」が学べて、久々に買ってよかった本と思えたので記事にしました。
最後までお読み下さりありがとうございました。
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