奈良県の天川村とみたらい渓谷に紅葉狩りに行ってきました。ドライブ好きの家人とミラーレス一眼キャノンEOS2と一緒の日帰り旅行です。
古来から日本人は遙かなる山々や豊かな森、断崖絶壁などに畏敬の念を抱いたり、水を育む山岳を神聖な場所として崇めてきました。目には見えないけれども、澄み切った山や森の空気を全身で味わい、川のせせらぎや野鳥の泣き声に耳を澄まし、美しい景観を愛でていると自ずと眠っていた五感を体で味わうことができる気がします。
人智の及ばない何か偉大なパワーを求めて人は皆、そんな場所へ出かけては祈りを捧げるのでしょう。
紅葉が見頃の奈良県天川村とみたらい渓谷へ
ちょうど絶好の紅葉シーズン、吉野熊野国立公園の渓流美や山合が美しい天川村へは、神戸から車で約2時間半。決して近くはないものの、たどり着いた先は絶景そのものでした。
今回日帰りで訪れたのは、世界遺産にも登録されている吉野大峰周辺とエメラルドグリーンの清流が美しいみたらい渓谷、そして天川と洞川温泉です。この一帯は海抜1000メートル級の山岳地帯にあり、人が胎内にいる時の「陰と陽の気」が同調する高度の熊野三山と同様に、関西屈指のパワースポットでもあると聞いていました。
奈良のパワースポット「天河大辨財天社」
今回の主な目的は知る人ぞ知る、天河大辨財天社参拝でした。
ジュエリーを創っている私にはお住いの方角に足を向けて眠れないほど、長いおつきあいのあるお得意様がいます。奈良県在住のそのお客様が「芸事の向上にご利益があるから」と、モノづくりをする私のために、わざわざお守りを買ってきて下さったのが、天河大辨財天社の「五十鈴」だったのです。
「五十鈴」という名のお守りが我が家に来て以来、創作意欲だけでなく物事があまりにもうまく運んだので、ぜひ自分もお参りしたいと思うようになったのが天川へ向かったきっかけでした。
この神社は関西でもそれほど知られていません。というのは「ご縁がなければたどり着けない場所」とか、「来るべき時期が来ないとたどり着けない」などの言い伝えがある神社なのです。私もその方に教えてもらわなければ、つゆ知ることがなかったと思います。
天河大辨財天社は深い山合いの吉野杉の木立に見守られるように、こじんまりとたたずむ厳かな神社です。少し薄暗い拝殿には、神々がおわす雰囲気が漂っていて、そこが特別な場所であることを感じずにはいられませんでした。
音色が神秘的で美しい拝殿の五十鈴
この五十鈴の特徴的な三つの球形の鈴は
●「いくむすび」
●「たるむすび」
●「たまめむすび」
という魂の進化にとって重要な三つの魂の状態(みむすびの精神)をあらわしています。
この五十鈴の清流のような妙なる音の響きによって、心身は深く清められ、魂が調和し本来あるべき状態に戻り、新たな活力が湧いてきます。
特に芸術・芸能の世界で精進される方々(俳優、舞踊、歌手、ラジオ、テレビタレントなど)が、天宇受売命の故事にあやかり、これを奉載され、この三魂(みむすび)の調和統一に意を用いられ、芸能技芸練達の器教とされております。
お守りを買い込む・手前右が五十鈴を象ったお守り(一つ2500円)
余談ですがこの五十鈴の鐘の音色には不思議なパワーがあるためUFOを呼ぶとかで、目撃情報も多いそうです。
さてお参りの後は、関西屈指の景観と言われる「みたらい渓谷」へ森林浴ウォーキングです。
ダイナミックな渓谷美と清流「みたらい渓谷」
神秘的なエメラルドグリーンの清流は、得も言われぬほどの美しさです。秋晴れの空の下、降り注ぐ日差しに水面がキラキラと輝く様に心を洗われました。
川沿いの遊歩道を歩きながら、紅葉の名所や大小の滝や渓流の絶景ポイントを周りました。澄んだ美味しい空気を満喫できるハイキングコースは全長約7.4キロほどで約2時間。
底が透きとおって見える神秘的な淵、水の冷たさが心地よい。
関西から日帰りで行けて温泉、キャンプ、釣りや星空が堪能できる村として、天川村みたらい渓谷は人気スポットで四季折々の景観が楽しめます。私が訪れた頃は紅葉のベストシーズン、山頂から色づく錦秋の景色は壮観でした。
みたらいの滝
大峯山を源流とする川が造り上げた神秘的な淵や、吊橋からの滝、カツラの大木や巨石を愛でながら歩くと気分は最高でした。底が透けて見えるほどの清流の、ダイナミックな渓谷美はまさに絶景です。
案内所で確認すると、みたらい渓谷へはシーズン中、村営の無料駐車場のスペースが限られているため狭い車道には車がごった返します。
私たちは川合の民営駐車場(一日1000円)を利用したのですが、そこの方が地図を手に途中の休憩所のお手洗いがきれいだとか、食事するならすぐ近くの「かどや食堂」がおすすめなど、みたらい渓谷の周り方を指南してくれました。
日帰りだったので、みたらい遊歩道先の洞川温泉へはウォーキングでなく、車で向かいました。
洞川温泉・鍾乳洞・龍泉寺
洞川温泉・行者さん通り
女人禁制の大峯山寺へと続く道の両側には、昔にタイムスリップしたような旅館が立ち並んでいて、門前町独特のどこか懐かしいような風情がありました。この洞川温泉は今でも修験道の行者さんが宿泊するそうです。
標高が高い山奥に位置する洞川温泉は、真夏でも最高気温が大阪市内より5℃涼しいので夏の避暑地として関西の軽井沢とも言われています。
聖なる大峯山に降る雨は、やがて名水と天ノ川の急流を育みます。天川村周辺の渓流の清らかさは群を抜いていて渓流釣りのメッカでもあります。
大阪方面から天川村へ向かうまでの道の駅「黒滝の茶屋」だけでなく、洞川温泉卿や屋台でもここぞとばかりに、新鮮な鮎の塩焼きを堪能しました。
燃えるような紅葉が見事な霊峰大峯山の修験道の龍泉寺は修験道の根本道場として信者、登山者の必ず訪れる霊場
洞川温泉一帯はカルスト地帯で、関西では珍しい鍾乳洞が2つもあり奈良県の天然記念物に指定されています。お水がとても美味しく、名水百選にも名が挙がっています。
洞川が一望できる面不動鍾乳洞(入場料大人400円)へは、トロッコのようなモノレールで行くことができます。(往復500円・乗車の際はインターホンで)急斜面を登っていくのはスリルがありました。
洞川一帯の町並み
ロンドン在住のキミコさんが天川村を訪れた記事に詳しく書かれています。
その後日も暮れかかり、洞川温泉にゆっくりつかる時間はなく、帰路につきました。帰り道に「柿の葉すし本舗たなか」で寿司を持ち帰り、自宅で旅の疲れを癒やしました。
デパートでも買える柿の葉すしですが、本元のものは格別です。
最後に
あまりに人が多いせいでここ何年かは、紅葉の季節の京都へは足が遠のいています。少々遠いものの比較的静かに楽しめる紅葉狩りには、今回訪れた奈良県のみたらい渓谷はおすすめできるスポットです。山もみじには風情があり、紅葉とエメラルドグリーンの渓流との色の対比には感動すら覚えました。
仕事や日々が続くとパワー不足を感じます。そんな時は心身ともリフレッシュして五感を研ぎ澄ますためにも大自然に触れたくなります。
天川観光は日帰りでも、みたらい渓谷や神社参拝、洞川まで足をのばすことができました。時には澄んだ美味しい空気やマイナスイオンを浴びて心身浄化し、本来あるべきところへ戻るためにも天川村へまた足を運びたいと思います。次回は満天の星空やほたるを見るため洞川温泉で一泊したいものです。
最後までお読み下さりありがとうございました。
今回使用したミラーレス一眼はこちら。標準ズームレンズ EF-M18-55mm使用。
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