『難しいことはわかりませんが英語を話せる方法を教えてください!』のレビュー

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ハンドメイド品の海外通販をしています。『難しいことはわかりませんが英語を話せる方法を教えてください!』の目次の、ある部分が気になったために購入したのですが、期待以上に読み応えがあったのでレビューを書きます。

初心者から中級まであらゆるレベルの人におすすめの本書

はるか昔の学生時代、3週間の英国ホームステイしたことがあります。その時英語が宇宙人の言葉のように聞こえたことを今でも覚えています。結局全く話せないまま帰国したのですが、後に仕事で英語を使うようになるまですごく苦労しました。日本で学んだはずの英語が、実践で役に立たないと思い知らされました。

時代が時代なら私も、この本に書かれている「英語習得への最短ルート」で実践して、遠回りせずにすんだかもしれません。英語が話せるようになるには「実際に話すことが重要」と痛感してきたからです。

amazon英会話部門・ベストセラー1位にもなっている本書は(2017.9)、「僕」と「先生」のコミカルな会話形式で展開されているので楽しく読めます。

一見お気楽に見えるかもしれませんが、実は英語の初心者だけでなく、ビジネス英語を学ぶ人にもおすすめできるなかなかの内容でした。

僕:「中学校の英語も覚えてないですし、TOEICも300点台ですけど、僕でも英語を話せるようになりますかね……?」

先生:「大丈夫! TOEICの勉強をいくらしたって話せるようにならないから。」

「僕が本当に話せる最短ルートを教えるよ」

もう間違った方法で英語を勉強するのはやめて、本当に話せるようになりませんか!

先生は日本語や文化背景を知り尽くした、NHKラジオ講座講師のスティーブ・ソレイシィ氏。

私がもし身内や知人に「来月海外出張や旅行があるのだけれど、即席で英語が身につく方法を教えて」と言われたら、私は迷わずこの本をすすめすると思います。「とりあえず」でも十分使える、便利な英語表現があるからです。

基本的で応用がきくシンプルな英語表現を使い倒す

ここで質問です。

海外へ行った時に、飛行機の機内やホテル、レストラン、買物などでよく使う表現のひとつの「~、お願いします」を皆さんなら英語でどう言いますか?

例えば「チケットをお願いします。」なら・・・。

"Ticket please.”

ちゃんと英語を勉強した人ならこう答えそうですが、これはNGだとご存知でしたか。 ネイティブには若干失礼な英語で、「チケットくれ」の意味になります。もしくは「ちけっとちょうだい」と幼稚な片言に聞こえるそうです。

ソレイシィ先生の教えは・・・。

そんな時は万能表現のコレ!

May I have a ticket? 「チケット、お願いします」

ice water, blanketなど、お水、毛布など何にでも使えて便利な表現です。

このように「お願いします」のような、どんなシチュエーションでも応用がきいて、実践で使いまわしができる表現を使うことで、英語のコミュニケーションは十分成り立つというものです。

ビジネス英語はこれにプラスアルファしていくだけ。

May I have the original copy?(原本をお願いします)

May I have the sales manager?(営業責任者をお願いします)

子供から大人まで誰に対してでも使えて、婉曲的で人間関係がスムーズにいくスマートな言い方なのです。

本書にはこのように使いまわしができて、汎用性の高い英語表現が他にも紹介されています。

英語を話すポイントは「平易で短く」

先日当ブログでもご紹介した、『会話のメールも英語は3語で伝わります』でも書かれていたように、「ビジネスだからといって難しい英語を使う必要などない」とソレイシィ先生も述べています。

最近はアメリカの公共機関でも、”Plain English”(平易な英語)が推奨されていて、分かり易く伝えようという風潮になっているとのこと。

「なぜ小学校の先生は英語の習得が早いか」では、日頃から物事を子供に分かり易く、噛み砕いて説明している小学校教師は、長い文章でも短く簡潔な英語にして連続文を作ることができるからと説明されていました。

つまり英語をペラペラに話すポイントは日常でも仕事でも、短く分かり易く伝えることだということです。

ついでですが、今はインターネットの世界でも長文メールより、チャットの方がコミュニケーションの主流になっているとか。より簡潔に、短文で伝えることの重要性が今後増していきそうです。

TOEICは「受験英語の大人版」650点以上はとるな!

英語を学ぶ目的が様々なように、人それぞれに目指す英語の目標レベルがあると思います。英語を勉強する日本人が高得点を目指すTOEICなどは、資格や企業の評価に有利だと、受験者数がかなり多い人気のテストです。

ところが本書ではこのTOEICを「受験勉強の大人版」、「英語コンプレックス増強試験」として、TOEIC偏重主義に警鐘を鳴らしています。なぜならTOEICハイスコアを持っていても英語がペラペラ話せるわけではなく、スピーキング力とは別物だからです。ソレイシィ先生によると900点以上の人でも英語が話せない人は少なくないのだとか。

「TOEICで650点以上とるな」というのは、それ以上のスコアアップのためには試験対策や不必要なマニアックな知識も必要になるので、そんな時間があるなら「英語を話す」対策をとる方がずっとペラペラになる早道だということです。下手に知識が多いと、かえって英語を話す際に邪魔になることが多いことが指摘されていました。

その他の内容はこんな感じです。(amazonから引用)

「受験で単語や文法をたくさん覚えたけど、結局話せない」 「高い教材を買ったけど続かなかった」 「外国人の前になると言葉が出てこない」

そんな人に贈る、いままでの常識を覆す英語習得法。

★「a」と「the」で迷ったら「ん」と言え

★「Hi.」は「会釈」、ビジネスでも使える超万能なあいさつ

★とにかく早く発音するとネイティブっぽく聞こえる

★日本人が英語を話せない意外な理由

★レストランでの「Thank you.」には気を付けて!

★日常英語を1語変えただけでビジネス英語に

★ニューヨークよりロスアンゼルスの方が働きやすい? 他

個人的にはHi.の使い方に目からウロコ的な学ぶものがあり、それだけでも本書を買った価値があるほどでした。中級以上の方にもぜひ本書を読んでほしいです。

2020年以降英語を話せる日本人が増える?

よく言われるように、英語習得の近道とは「実際に英語を使うこと」に尽きますが、ソレイシィ流も同じです。ただ違うのがスピーキングテストを受けることでした。

実際、日本の英語教育のレベルの高さは世界的にも高いそうです。その割には他のアジア諸国に比べて英語を話せない人が多く、このままでは国際競争力が落ちる可能性があるとようやく文科省も危機感を抱きはじめ、2020年以降は大学入試センター試験の英語にスピーキングテストを取り入れようとする動きがあるとのこと。

「そうなれば日本人も英語を話せるようになるはずだ」とソレイシィ先生は予測しています。試験となれば必死に頑張るのが日本人ですから。

ここ10年でインターネットがかなり普及しました。どこにいても世界中の人と簡単につながることができるようになり、映画ドラマの映像配信が安価で利用できるなど、今は英語を学ぶ機会にあふれています。海外留学などしなくても、今は最強の実践ツールのオンライン英会話もあります。

英語が話せるようになって良かったこと

私自身今は、英語は趣味と実用を兼ねて楽しみながら接しているという感じです。「ペラペラ」には程遠いレベルですが、英語を通じて人生を楽しむ手段と幅が増えたように思っています。

海外旅行の際は物怖じせず済むし、好きな海外ドラマを原語で理解できた時は醍醐味を感じます。海外通販でメールやチャットでコミュニケーションするのは私にとって幸せなひとときです。

今の目標は必要な英文ライティングやメール、チャット力をスピードアップさせることです。そんな時に気をつけたいと思うのがソレイシィ先生のこの言葉・・・。

「自分の言ったことに◯マルをもらうことより、思っていることを相手に伝えることの方がはるかに大切だということを知ってほしい」

小難しかったりカッコいい英語より、思っていることを正確に伝えることのほうが数倍大事なのだと今更ながら自戒を込めて、英語のブラッシュアップに努めようと思います。

これまで記事で紹介した本に星をつけるとしたら・・・。

難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください!

初心者向き★★★★★

中級者以上向き★★★★

会話もメールも 英語は3語で伝わります

初心者向き★★★★

中級者以上向き★★★★★

最後までお読み下さりありがとうございました。

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